新型コロナウイルス感染症に対する考え方

 私(院長)は、以前の病院でInfection control doctor (ICD)として院内感染対策副委員長を務めていたことがあります。今回もその経験を活かして院内感染対策に取り組んでいます。どうすれば皆さんが安全にこの危機を乗り越えられるか?を毎日考えています。日頃、私が時間を費やしている学会や研究会活動は、ほぼ中止なので、むしろ診療時間以外は少し時間のゆとりもあり、この感染症に向き合うには良い状況です。先のスタッフ日記にも書いたように、院内は安全な環境を整えているので通常の診察の方は、安心して診察にお越しください。連日のTV報道で過度に心配して、家から一歩も出ず、誰とも接触がなく、熱も風邪症状もないのに、私はコロナにかかったのではないか?と『コロナノイローゼ』にかかっている高齢者もおられます。通常の診察に来られた方とCovid-19についてお話をする機会も増えています。いつもお話ししているのは、持病のある高齢者は、人が集まるような密な環境や場面は危険です。かといって家にとじこもる必要はありません。外に出て散歩して春の美味しい空気を吸って、桜や綺麗なお花を沢山見てください。畑や庭のお手入れもいつも通り続けてください。適度な運動をして、タンパク質をしっかりと取って免疫を高めてください、とお話ししています。皆さん『甲子園中止の本当の理由』を知っていますか?IPS細胞を作った京都大学の山中先生は感染症や疫学の専門家ではありませんが、科学者として情報発信できないか?と以下のサイトを立ち上げられました。新型コロナウイルス感染症に対して正しい知識を知りたい方は、以下のサイトをフォローされることをお勧めします。私も日々、閲覧して勉強させて頂いています。

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信 https://www.covid19-yamanaka.com/index.html

甲子園中止の本当の理由(上記サイトより引用)

3月11日、春の高校野球を中止するという衝撃のニュースが駆け巡りました。中止の報を受け、選手たちは「辛いけど、こんな状況だから仕方ない。夏に向けて頑張る」と涙をこらえながら答えていました。彼らの潔い受け答えを見て私は涙を禁じえませんでした。主催者は「選手の安全を最優先に考え苦渋の決断をした」と理由を述べました。しかし、もし世の中に高校生しかいなかったら、高校野球も他の競技も中止になっていないと思います。高校生は新型コロナウイルスに感染してもほとんどの場合、風邪程度の症状しか出ません。高校野球が中止になったのは、選手の安全はもちろんですが、選手の周囲の高齢者を守り、さらには、感染者が急増して医療や社会が破綻するのを防ぐためです。選手は、周囲や社会のために自分たちの夢を犠牲にしてくれているのです。私たち大人も、彼らを見習って、力を合わせて、国難とも言える状況に対応しなければなりません。そのためには新型コロナウイルスの特徴を理解する必要があります。風邪やインフルエンザの流行では甲子園は中止になりません。新型コロナウイルスは何が違うのでしょうか?

 

院長撮影(3/25 京都市植物園)