糖尿病性腎症重症化予防プログラムについて
梅雨が明けず、じっとりした毎日ですね。さて、真面目な話が続きますが、今回は院長がライフワークとして取り組んでいる透析患者さん抑制のお話です。わが国において、透析患者が増加の一途を辿り、その大きな原因が糖尿病であることが、大変大きな問題となっています。透析になると腎移植を受けない限り、透析治療を続けないと死に至ること、医療費としても年間一人当たり500万円かかることもあり、経済的な損失も大きな問題となっています。そのような中、2016年3月に日本医師会・日本糖尿病対策推進会議・厚生労働省の三者で糖尿病性腎症重症化予防に係る連携協定が締結され糖尿病性腎症重症化予防を国レベルで支援する取組がスタートしています。
私も京都府や京都市の要請を受けてこの問題を取り組むための会議に奔走する毎日です。このプログラムを簡単に説明すると、①特定健診などを受けて未治療の方、治療中断の方(治療履歴をみて中断している可能性のある方)には、保健師が家まで訪問して指導にあたる②医療機関に通院していても、特定健診で糖尿病の管理が悪い、腎症を発症しかかっている方についても保健指導の対象で、栄養や保健指導を受けることができる、ことです。このためには、保健師が医療にかかっていない人を説得して医療に繋げる、そして医療側もその方が治療に取り組めるように支援することがとても重要です。また既に医療にかかっている人でも管理状況が悪ければ、更に踏み込んで治療やケアを強化する、など大変難しい取り組みが要求されています。しかし、既に医療機関にかかっている人よりも、未治療や治療中断の方の方が、透析になることが多いため、前者の取り組みが大変重要です。そして、糖尿病未治療や治療中断の方には、国家レベルでこの問題に取り組んでいるということを知ってもらいたいと思います。そういった想いを中外製薬に伝えたところ、以下の動画を作って下さいました。大変素晴らしい内容なので、ぜひ皆さんにご覧頂き、ぜひこの内容を医療関係者や未治療や治療中断の方にお知らせ頂きたいと思います。なお、動画はyou tubeに掲載されているので、皆さんの情報媒体(ツイッターやfacebook、ラインなど)を通じて広報して頂けることを祈念しています。京都から、いえ全国で糖尿病による透析患者さんを一人でも減らしたい、私の切なる想いです。